富士写真フイルムQ1Digital4.0Irはじめに2004年の暮れでしたか、富士写真フイルムから携帯電話用のインスタントプリンタ:Piviの相棒として、インターネット販売限定でQ1デジタル4.0Ir(以下Q1Dと略)という、APSフィルムカメラで有名なQ-1をデジタルカメラ化したものが販売開始されました。このQ1DとPiviとを組み合わせることで、Q1Dで撮影した画像をPiviに赤外線通信で転送してその場で印刷することができます。 2005年になって、このカメラが店頭でも販売されるようになり、隣街の「カメラのキタムラ」にも置いてあったため、赤外線通信好きの私としては「これは手に入れねば!」という使命感(?)に燃えて購入してきました。単品で\16,800、Piviとセット販売で\25,800と、決して安くは無い買い物でしたが、「Irグッズ、俺が買わねば誰が買う!」というノリで買ってしまいました。 と、言っても、近々海外に引っ越してしまう知り合いの餞別ついでにプレゼントするという名目なんですけどね。それを贈る前に動作確認を兼ねてちょっと試し撮りさせていただいた、という訳です。 カメラの紹介さて、このQ1D、カメラとしてはいたってシンプル。単焦点かつ固定焦点のレンズ(いわゆるパンフォーカス)で光学ズームもなければオートフォーカスもありません。焦点距離は7.7mm(35mmフィルム換算 46mm)でF3.5と、スナップカメラにしては少々長めの焦点距離です。レンズ脇に切りかえレバーが用意されていて、通常はお山のマークにしておいて、近く(60cm程度)を撮る場合にはお花のマークに切りかえる、という昔懐かしい方法です。十字キーにはズームのアイコンが描かれていますが、もちろんこれはデジタルズームです。
撮像素子は、1/2.5型の400万画素CCDで、記録モードはサイズと圧縮率をいっしょくたに十字キーの左側で選択する形になっています。 選択肢は静止画撮影の場合は
撮影の際にさわれるのは、この記録モードの他は露出補正とホワイトバランスのみです。
一方、こんなおもちゃみたいなカメラのくせに一応動画も録れます。動画モードでは選択できるのは画面のサイズのみで、
丸っこい形状のゆえか、三脚孔も用意されていませんので、セルフタイマーの機能もありません。 メモリーは本体に16MBのフラッシュメモリを内蔵するほか、xDピクチャーカードが利用可能。内蔵メモリーとxDカードは排他利用で、xDを挿せば内蔵メモリーは使用不可、xDを抜けば内蔵メモリに記録される、という仕様です。メモリー間のコピーは内蔵−>xDの方向へのコピーは可能ですが、逆は不可、となっているようです。 インターフェースは5ピンのMiniタイプUSBのみで、PCに接続すればストレージデバイスとして認識されます。生意気にPictBridgeにも対応しており、市販の対応プリンタとUSBケーブルで接続することでダイレクトプリント可能です。 液晶モニターは1.5型12万画素のTFTカラー液晶で、明るさを10段階調整可能。
肝心の赤外線インターフェースについては、一応「送信専用」ということになっています。通信相手はPivi、チェキプリンター:NP-1、赤外線通信対応の携帯電話、パソコン、PDAなどになります。送信専用ですので、残念ながらQ1D同士で画像交換とかはできません。また、もともとPiviの印刷サイズがVGAということもあってか、あるいは本当に赤外線の受信(通信相手とのネゴシエーション含む)ができないのか、送信画像は撮影時の画素数にかかわり無くすべてVGAサイズ(640X480ピクセル)にリサイズされてしまいます。 ですので4Mピクセルの画像データを赤外線でPCに転送、ということはできず、オリジナル画像を保存する際には別途USBケーブルで有線接続する必要があります。 最後に、電源は単三乾電池二本ですが、セットアップガイドによれば使える電池の種類はアルカリ乾電池とニッケル水素充電池の二種類のみ。マンガン電池、オキシライド電池、リチウム電池とニカド充電池は使用不可というところが興味深い、というか要注意です。 画質は?以上、概略の仕様を述べてきましたが、次に使用感や肝心の画質などについて。 まず画質について。はっきり言って厳しいです。流石に富士フイルムだけあって発色は良いのですが、被写体との距離が1、2mの場合はまだなんとか観られるものの、遠景になるとなんだかぼけぼけになってしまいます。 一瞬、「手ぶれか?」と思ったのですが、EXIFデータによればシャッター速度が1/1000秒より速いことになっているので、なんぼ私がヘタクソといってもそこまでひどくはありません。なので単に遠景にピント合っていないということだと思います。(当然、フォーカスレバーは「お山」のマークに合わせていました。) まぁ、Piviと組み合わせて使うカメラの性格上、室内で数人でわいわい写る、という使い方を主として想定して遠景よりは近くの人物を優先した、ということでしょうか。それならそれで、もう少し焦点距離を短く、広角よりにしてほしいと思います。 やはりパンフォーカスで400万画素ということ自体無理があるのではないでしょうか? 名より実をとって130万画素なり200万画素なりにとどめておいて感度を稼いだほうがなんぼか実用的だったろうに、と思います。実際、海外には赤外線I/Fはついていないものの200万画素や300万画素のQ1Dが販売されています。
操作性その他は?次に操作性について。何をおいても十字キーがまったくダメ!中央のOKを押そうとしても3回に2回は上下にカーソルが動くだけでOKボタンが押せない! あと文句を言いたいのは液晶。液晶部分に丸い形のアクリル?っぽい樹脂プレートが貼り付けてあるのですが、これの表面がしっかり反射してしまって、屋外では何を写しているのかまったく確認できず、フレーミングが不可能。おまけに光学ファインダがついていないので、とにかく撮ってみては再生モードに切り替えてカメラを自分の体の影にして写り具合を確認、というとんでもない状態。 最後に本体そのものの質感について。この点はAPSフィルムカメラのQ1と似たり寄ったりと思っていただけば間違いありません。つまり、せいぜい\4,800程度相応の質感でしかありません。下手をすればレンズ付きフィルム並みかも。まぁ、ビンゴゲームの景品ででも当たったらうれしいかな、という程度で、いったいどこの物好きがこんなものに身銭を切って買うかなぁ?それも1万6千8百円も!というのが正直な感想です。(そのバカがここにいますが。) まとめというような訳で、7、8年前ならいざ知らず21世紀のこの時期にこんなデジタルカメラを出すなんて時代錯誤も甚だしい、というのが感想です。ニッチはニッチなりにもう少し違ったアプローチがあったのでは?と思うのですが、本当に富士の担当者が何を考えて企画したのか想像がつきません。 その昔、カシオのQV-10が世に出たときは、家庭用液晶プロジェクターのオマケ的な商品という隠れ蓑を被って企画されたのだそうですが、このままではQ1Dは本当にPiviの添え物で終わってしまいそうな予感がします。チェキやFinePixシリーズなどヒット商品を手がけてきた富士写真ですので、ここはめげずにふんばってもらって、もっと良いものを出して後に続けていってもらうことを心から期待しております。 |