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チャート式 デジカメチェック

はじめに

前回、CCDサイズと画像の関係についてレポートしましたが、この話題に関連した内容としまして DAIGA さんという方が、ご自分のホームページの中の デジタルフォト・考 というページで「1/1.8型300万画素CCD機の実用F値」
に関して大変参考になる資料を公開していらっしゃることを知りました。(リンクは2001年10月21日現在。)

DAIGAさんはカシオ計算機製300万画素デジタルカメラ:QV-3000EXをお使いになって実験をされて、F2.0、F2.8、F4.0、F5.6、F8.0と5段階ある絞りの中で、テスト時には露出オーバーとなるF2.0、F2.8を除くと、撮影画像の解像度はF4.0の時が最も高く、F5.6、F8.0と絞るに従って低下していった、とのことです。

これに大変感銘を受けた私は、「じゃぁ、自分が今使っているカメラではどうか?」という興味を抱き、早速実験してみました。


手始めに

まず、実験に取り掛かる前に、解像度を調べるためのテストチャートが欲しいと思いました。実は勤め先の仕事の関係で(何をやっているかはナイショ)、それらしいチャートは手に入らないわけではないのですが、できればネットを通じていろんな人の間で同じ基準の下に比較チェックがしたいということを考えると、電子データで共有できるもののほうが良い、と思い当たりました。そこで、パソコンで簡易解像度チャートを作ることにしました。つくったのがこれです。

このサムネイル画像は、グレースケールのTIFF形式の画像ファイルをLZH圧縮したファイルにリンクしてあります。右クリックしてローカルのハードディスク等に保存して戴いた後、解凍してレタッチソフト等でご利用戴けます。

私自身はこれを画像解像度=360dpiの条件で、インクジェットプリンタ(往年のセイコーエプソンPM-700C)を利用してコニカのPhotolike QPという光沢紙に印刷したものをテストチャートとして利用しました。プリンタの設定は、「専用光沢フィルム」「スーパーファインモード」でかつ「黒インク」としました。

印刷したチャートを、外枠がなるべくファインダーぎりぎりに収まるようにしてお手持ちのデジタルカメラで撮影して戴けば、チャートの脇に書いてある数字×100が解像度の指標になります。楔形チャートが5まで分離していたら解像度=500TV本、というわけです。

お手持ちのプリンタの解像度が300の倍数の場合は、お手持ちの画像ソフトで解像度300dpiの条件にして印刷していただければよろしいです。ただ、この場合残念ながらチャートがA4用紙からはみだしてしまいますので、12×9 インチの大きさの枠を書いた大き目の紙の中央に、印刷した紙を置いていただいて、枠がファインダーにちょうど収まるように撮影していただければよろしいかと思います。

厳密なことを言えば、使用するプリンタの性能、紙の質、インクの濃度に加えて、撮影する環境の光の具合などで条件が変わってしまいますが、あくまで簡易テストということですのでこの辺はご容赦下さい。それでも大勢の方にデータを取っていただければ、傾向は見えてくるのではないか、と思います。


使用したカメラ

いくつかある、私の手持ちのデジタルカメラの中から、絞りが3段階にマニュアル指定できる次のカメラを選んでみました。

  • ニコン製 クールピクス950 (1/2型 211万画素CCD搭載機)
  • カシオ計算機製 QV-7000SX (1/3型 132万画素CCD搭載機)
  • カシオ計算機製 QV-8000SX (1/2.7型 131万画素CCD搭載機)

本来なら、ズームレンズのワイド側で撮影したほうが解像度の上では有利だと思うのですが、小絞りボケの発生する条件を考えるとなるべくF値の大きい条件のほうが良いだろう、というのと、ワイド側だとコマ収差、タル収差等が出てしまう(笑)というのとで、今回はテレ側で撮影してみました。

もっとも、QV-8000SXは8倍ズーム機なので、テレ端では庭に置いたチャートを屋根の上から撮影しないといけないかもしれない(苦笑)。したがって、こちらについてはクールピクスの3倍ズームテレ端でチャートが画面いっぱいになる撮影条件と同じ条件でチャートが画面いっぱいに入るようにズーム比を調節して撮影しました。ですので、35mm換算115mmくらいの条件です。

反対にQV-7000SXは2倍ズームですので、ズームはテレ端で三脚の高さを調整してチャートが画面いっぱいに入るように調整しています。

まともに三脚に付けると、三脚の脚が画面に入ってしまったので、ご覧のように苦肉の策としてブラケットとか自由雲台(?)などを駆使して無理やりカメラをオフセットして撮影しています。

なお、ニコンの場合は、レンズのズーム比率に応じて絞りのExif情報も正しい数値に変化して記録してくれますが、カシオの場合はワイド端での絞り値で代表して記録されますので、その点勘定に入れる必要があります。(F値=焦点距離/レンズの有効口径 であるため。)

なお、撮影時の設定としては、WB、コントラスト、シャープネス、彩度などの設定はオートないし標準設定で、画像サイズは各カメラの最大サイズ、画質についても各カメラの最高画質にて撮影しています。

幸か不幸か、撮影時のお天気は曇天(EV=13〜14相当?)でしたので、絞り開放の条件でも露出オーバーになることなく、撮影できました。

以下に撮影したサンプルを掲載します。

サンプル画像1

(全体のサムネイル画像)

QV-7000 F2.8 1/500sec

(F3.5 相当)

QV-8000SX F3.2 1/1587sec

(F3.3 相当)

CoolPix950 F3.9 1/681sec

QV-7000 F5.6 1/250sec

(F7.0 相当)

QV-8000SX F4.8 1/502sec

(F5.0 相当)

CoolPix950 F6.6 1/224sec

QV-7000 F11 1/60sec

(F14 相当)

QV-8000SX F8 1/182sec

(F8.3 相当)

CoolPix950 F11.0 1/80sec

サンプル画像2

(チャートの一部の等倍画像。ファイルサイズが大きいので元データのフル掲載は見合わせました。悪しからず。)

QV-7000 F2.8 1/500sec

(F3.5 相当)

QV-8000SX F3.2 1/1587sec

(F3.3 相当)

CoolPix950 F3.9 1/681sec

QV-7000 F5.6 1/250sec

(F7.0 相当)

QV-8000SX F4.8 1/502sec

(F5.0 相当)

CoolPix950 F6.6 1/224sec

QV-7000 F11 1/60sec

(F14 相当)

QV-8000SX F8 1/182sec

(F8.3 相当)

CoolPix950 F11.0 1/80sec


考察

既にお気づきだと思いますが、結論から先に述べますと、

「私の手持ちのデジタルカメラに関しては絞りの条件による解像度の低下は特に認められない。」

という結果になりました。130万画素クラスの2つは、600TV本はクリア、800TV本が解像できるかできないか、という辺りの性能。また200万画素クラスの950は、800TV本はクリア、1000TV本が解像できるかできないか、という辺りの性能となっていて、特に絞りの値によって影響は受けていないようです。ちょっと拍子抜けしてしまうほどです。

今回のテスト機のCCDの画素ピッチは、QV-8000SXが約4.4ミクロン、QV-7000SXとCoolPix950が約3.9ミクロンと推定され、理論上での小絞り限界がF11程度ですので、理屈の上ではQV-7000SXの絞りきった条件では怪しくなるはずですが、結果を見ると特に影響は認められないようです。(もともとレンズの性能が高くなくて、絞りきる以前に解像度が飽和しているのかもしれませんが。)

こうなってくると、同様な条件で

  • 1/1.8型 300万画素 CCD (画素ピッチ:約3.4ミクロン)
  • 1/1.8型 400万画素 CCD (画素ピッチ:約3.1ミクロン)
  • 1/2.7型 200万画素 CCD (画素ピッチ:約3.3ミクロン)

の各撮像素子を積んだカメラを用いて実験するとどうなるかぜひ知りたいものです。

比較と言う意味では、例えば

  • オリンパス光学工業のC-2040Zoom、C-3040Zoom、C-4040Zoom
  • ニコンのCoolPix950とCoolPix990
  • ソニーのCyberShot F505KとF505V
  • キヤノンのPowerShot S10とS20、あるいはS30とS40、またはG1とG2
  • カシオ計算機のQV-8000SXとQV2800UX/2900UX、あるいはQV-4000とQV-3000EX/3500EX

というように、同メーカー同系列同士で、絞りのマニュアル設定が3段階以上指定できるものを直接比較したいところですね。

上に掲載した簡易テストチャートはご自由にお使い戴いて構いませんので、上記モデルをお持ちの皆さんで知的好奇心の強い方にはぜひ調査にご協力戴きたいと思います。


余談その1

クールピクスやQV-7000SXはほぼファインダで見たとおりの大きさで撮影することができましたが、QV-8000SXは少々視野率が低かったようで、狙いより広い範囲が写ってしまいました。まぁ、その分解像度チャートが小さく写ってしまったにも拘わらずQV-7000SXと同等の結果となっているということは、CCDサイズの違いかレンズ性能の違いが寄与しているのでしょうか。それにしても、シャープネス=標準、コントラスト=標準に設定したのに、ちいっとばかしエッジ強調処理がきついですね、このカメラ。

余談その2

実は先日、仕事場から1/1.8型 300万画素機のソニーサイバーショットP1を借りてきて同様な実験をしてみたのですが、このカメラは絞り優先AE等のマニュアルモードが無いフルオート機なので、思うような撮影ができませんでした。

それ以上に、絞りの設定が開放と、絞った状態の2段階しか無い。あとでいろいろ調べてみたところ、絞りを開けば小絞りボケが回避できるので開けば開いたほうがより解像度が高くなる、というものでもなく、あまり開け過ぎると今度はレンズの収差による解像度の劣化が発生するとのことです。したがって、絞りが2段階しか無いのでは収差と回折の背反する条件が重なってしまって、小絞りボケにしぼった評価ができない、ということが判りました。

(しいて言えば、絞った条件で、ズームのワイド側とテレ側で比較する、という手も無いこともないのですが...。)

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